妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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誕生日のお祝いの言葉を伝えよう
生まれて初めて迎える「お誕生日」、つまり1歳のお誕生日のお祝いです。
母子健康手帳の1歳の頃のページには、誕生日を迎えた子どもへ、ご両親からのメッセージを記入するスペースがあります。子どもが大きくなって読んだときに、お父さん、お母さんから愛されて育ったことが伝わります。ぜひ活用してください。この1年、喜びとともに大変なこともいろいろあったことと思われます。ご両親もご苦労様でした。そしておめでとうございます。
日本は「数え年」つまり元旦ごとにプラス1歳と数えてきたので、「誕生日」を祝う風習はありませんでした。誕生日祝いは欧米から入ってきたものといわれています。ただし、日本でも昔からこの1歳のお誕生日だけは盛大に祝う風習がありました。昔は生後間もなく亡くなる赤ちゃんが少なくなかっただけに、無事1歳まで育った喜びとこれからの健康を願っての儀礼なのです。誕生餅、または一生餅と呼ばれるおもちをついて、その餅を風呂敷につつんでを赤ちゃんに背負わせたり、踏ませたりする風習があります。
1歳のお誕生日を迎えると、身長は生まれた時の約1.5倍、体重は約3倍にもなります。からだつきも、ほっそりとスマートに見えてきます。
つたい歩きをしているなら、ひとり歩きまで、もう一息です。ゆっくりの子も、1歳半くらいまでにはひとり歩きするようになります。
手指もますます器用になります。こどもには行ってみたいところ、さわってみたいものがいっぱいですから、事故に十分注意し、予防対策をとりつつ、おおらかに遊ばせてあげましょう。
早い子ですと、お誕生ころに「マンマ」「ブーブー」といった簡単な単語も出てきます。しかし、言葉の発達は個人差が大きいもの。意味のある単語がまだ出なくても、大人の言うことを理解していて、「おめめは?」と聞くと指さしたりするなら心配ありません。2歳ごろから急に話し始める子もいます。
1歳を過ぎると、はしかの予防接種が受けられるようになります。
3種混合ワクチンや肺炎球菌ワクチン、麻疹風疹ワクチンなどは予防効果が明らかで、より重要なので、まずはこれらのワクチンを優先的に接種しましょう。ワクチンを受けてから十分な抗体ができるまでには、2回目の接種後、数週間かかります。接種するのなら、ウィルスの流行に間に合うように接種しましょう。
1日3回の食事のリズムを大切に、生活リズムを整えます。
形のあるものを噛みつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を食べものから摂れるようになれば離乳は完了です。離乳が完了しても、奥歯が生えそろう3歳ころまでは、食べ物の固さ、大きさ、味には配慮しましょう。
3回食だけでは足りないようなら、食事の補いとしておやつを1~2回、時間を決めて与えます。おやつには小さいおにぎりやふかしいも、ヨーグルトなどがよいでしょう。
1才を過ぎたら牛乳を与えることができます。与えるときには50mlくらいからスタートし、おなかがゆるくなったり、下痢をしたりしなければ量を増やしていきます。食前にたくさん飲むと食欲が落ちて食事が進まなくなることもあるので注意しましょう。
親から保護されるだけで過ごしてきた赤ちゃんも、1歳児なりの意思が芽生えています。食事の場面では、食べたくないものを拒否したり、親が自分のほしいものを取り上げたりすると、泣いて抗議するなど、そろそろ扱いに手こずる場面も出てきて、それがストレスになることもあるでしょう。
「行きたい、さわりたい」という気持ちのまま行動するので目が離せなくなり、それに疲れるという親もいます。「はいはいするようになったら目を離さない」だけでなく、ある程度目を離しても安全な環境づくりや安全対策が必要なことを再認識しましょう。
子どものやりたいように自由にやらせたままでよいのか、そろそろ「しつけ」について考え始めるころです。
赤ちゃんから子どもへの過渡期であるこの時期から目立つようになるのが、ふたりの成長の違いです。ふたごでも、成長の速度は同じではありません。むしろ、年齢が進むほどにふたりの違いははっきりしてきます。1歳代で目立つのは体の大きさや運動機能の発達ですが、もう少し経てば、ことばの発達、おむつはずしのような生活習慣の自立など、あらゆる面でふたりの違いが見えてくるでしょう。
発達の速度は優劣ではありません。「この子はできるようになったのに、この子はどうしてできないのだろう」と悩むのではなく、「同じ日に生まれたのに、成長の仕方はそれぞれ違うんだなあ」と、違いを発見して楽しむ気持ちで接するとよいと思います。