妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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赤ちゃんの出生届けを提出しよう
出生の日から14日以内に、居住地などの市区町村役場に出生届を提出します。子どもの名前に使用することができるのは常用漢字表と人名用漢字表に掲げられた漢字、ひらがな、カタカナです。名前が決まっていない場合は、赤ちゃんの名前を空欄にして提出することが可能です。名前が決まり次第、追完届を出して手続きします。
母子健康手帳の交付時に渡される出生通知のハガキなどで連絡すると、保健師や助産師が自宅を訪問する新生児訪問や乳児家庭全戸訪問を利用することができます。栄養指導や子育て支援に関する情報提供、育児相談などさまざまなサポートを受けることができるので、ぜひ利用しましょう。
また、出生体重が2500g未満の低出生体重児で生まれた赤ちゃんは届け出が法律で義務付けられています。
出産後、母体が妊娠前の状態に戻るまでの約6~8週間を「産褥(さんじょく)期」といいます。この期間は十分に休養を取る必要があります。特に出産後24時間は安静にし、ぐっすりと睡眠をとりましょう。退院後も無理をせず、夫や家族は協力して家事を分担し、お母さんが睡眠不足や過労にならないように気をつけましょう。
出産時に会陰切開をした場合は、出産後4~5日ごろに抜糸が行われます(自然に吸収される糸を使った場合は抜糸しないこともあります)。約3週間で治り、出産後1ヶ月健診で異常がないと診断されれば安心です。
子宮の回復
非妊娠時の子宮の大きさは鶏卵大です。妊娠中は胎児の発育にともなって大きくなり、出産直後から急激にもとの大きさに戻ろうと収縮を始めます。そのため出産後2~3日は後陣痛という陣痛のような痛みがありますが、これはまもなく消えるので心配ありません。出産後1週目、退院のころには子宮も出産時の半分くらいに収縮し、3週目ごろには約3分の1、4週目には妊娠前の大きさに近づきます。ふつうは6~8週間で、もとに戻ります。
悪露の変化
悪露は出産後の子宮から排出される分泌物です。出産後3~4日は、血液も混じっていて量も多いのですが、退院のころには量も減り、しだいに褐色になります。3週目ごろには茶色から黄白色へと変化し、量やにおいも少なくなってきます。4週目ごろにはだんだんとなくなります。出産後40日くらいまでは1日数回、茶色のおりものがみられるときもあります(それ以上つづく場合は産婦人科を受診しましょう)。
悪露は、量が多い間は専用ナプキン、減ってきたら月経用ナプキンを使いましょう。タンポンは細菌感染を起こしやすいので、使わないでください。悪露がつづく間は、トイレのたびに外陰部を消毒し、清潔を心がけましょう。また、入浴は悪露がなくなってからにします。シャワーは浴びてもかまいません。
産褥期は膣炎や子宮内膜炎などを起こすこともあるのでセックスはひかえます。出産後1ヶ月健診で医師からOKが出れば、よいでしょう。しかし「傷口が痛まないか」などの心配もあるし、育児で疲れてそんな気分になれない女性もいます。無理にセックスを再開すると、のちの夫婦関係にも影響を与えますから、互いに相手の気持ちを思いやりながら問題を解決していきましょう。
母乳で育てているお母さんの場合、母乳の分泌を促すホルモンが排卵を抑えるため、月経の再開は遅くなるのが一般的です。授乳をやめると、ほとんどの人が6週間以内に月経が再開します。授乳をしないお母さんの場合は、出産後2~3ヶ月で月経が始まることが多くあります。しばらくは排卵がなかったり、周期も不規則ですが、徐々に正常に戻ります。また、月経に先立って排卵がありますが、一般には出産後2ヶ月以上経ってから、早い人は45日ほどで排卵が起こります。出産後の最初のセックスで次の子どもを妊娠することもあるので、次の妊娠まで適当な間隔をあけたいと思ったら、出産後初めてのセックスから避妊を実行しましょう。
赤ちゃんが生まれて嬉しいはずなのに、なぜか涙が出てきたり、イライラしたりしてしまう。
これは産後の急激なホルモンの変化によって起こる「マタニティブルー」のせいかもしれません。つらい気持ちやイライラは、夫や家族に話すだけでずいぶん楽になります。地域の保健所・保健センターなどには窓口もありますので、気軽に相談してみましょう。
生まれたときの体重が2500gに満たない赤ちゃんを低出生体重児とよびますが、多胎出産の場合、妊娠週数36週以上でそれぞれの体重が2000gに達していれば、おおよそ心配ないと考えてよいでしょう。周産期医療センターなど小さい赤ちゃんのための設備が整っている機関での保育器に収容する目安は1800gぐらい。そのぐらいあれば、十分に体外生活ができると考えられます。
早産で小さく生まれた赤ちゃんの場合、しばらく保育器で過ごすケースが多くなります。出産時の妊娠週数や赤ちゃんの状態によって必要な措置は異なりますが、内臓機能や中枢神経系の機能がまだ未成熟の場合には、NICUで治療や呼吸管理を行いながら、機能の発達を待つことになります。
小さな赤ちゃんを生んだお母さんは、まず自分を責め、早産になった原因や小さく生まれた原因を探そうとします。でも、つらい思いにフタをして心の奥にしまいこんでしまってはいけません。家族や病院の看護師、臨床心理士などのスタッフにつらい思いを遠慮なく話しましょう。聞いてもらうことで、少しずつ「今」を受け入れ、向き合うことができるようになります。