妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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言葉のやりとりをどんどん増やそう!
周りの子はみんなお話ができるのに、自分の子どもがまだ「ワンワン」「ブーブー」しか言えないと、親としてはあせるものです。言葉が単に遅いだけなのか、あるいは何か問題があるのかと心配になる人もいるでしょう。
言葉の理解はどうでしょうか。たとえば、「ごみポイして」と言うと捨ててくれたり、「お出かけするよ」と言うと、玄関に行って待っていたりするでしょうか。そんな様子が見られるのであれば、言葉は言えなくても言語理解ができていることがわかります。
2歳のころ、言葉が遅いのはよくあることです。待っていれば、だんだん言えることばも増えてくるので、あまり心配せず、楽しみに待ってあげましょう。それでもやはり心配なようなら、できるだけ話しかけ、言葉のやりとりをする機会を増やすようにしてみましょう。
「イヤ」というのは、自分がしっかり育ってきた証拠です。自分を主張したいし、自分でやりたいこともたくさんあるのですが、実際にはお母さんに手伝ってもらわないとできないこともまだ多く、やりたいのにできない悲しさ、悔しさが「イヤ!」になってしまうのです。
お父さん、お母さんにとっては困ってしまうことも多いかもしれませんが、今はそういう時期、親としてもがまんの時期だと思ってください。そして、できるだけ「イヤ」を減らす方法を考えてみましょう。たとえば着替えの時であれば2枚のシャツを出して「どっちがいい?」と選ばせると、子どもは自分が決めたことで気が済むでしょう。ひとりでできないことも、さりげなく手伝って、「すごい、自分で着られてうれしいね」とほめれば、自分でできたことに満足するでしょう。
「イヤ」はいずれ自立していくための大切なステップ、育つための大きな力なのです。もっと言葉が話せるようになり、自分でできることが増えていくにつれ、「イヤ」は少なくなっていきます。それまで、この子もがんばっているんだな、という気持ちで見守ってあげてください。
2歳半~3歳になったら、トイレットトレーニングを始めましょう。
朝起きたとき・外出時・就寝前などおむつがえのタイミングで、おしっこに 誘ってみましょう。ただ、遊びを中断して、無理にトイレに連れて行かれるとトイレ嫌いになってしまって逆効果です。おしっこの間隔が長くなってきたら、思 い切って布パンツに切り替えてみたり、今度は自分から「おしっこ」と予告してくれるのを待ってみます。
出る前に自分から予告ができるようになればトイレットトレーニングは完了です。一度完了したと思っても、安定するには1~2ヶ月かかります。あと戻りしてしまうこともありますが、あせらず待ってあげましょう。
おしゃぶりは、くわえさせるとぴたっと泣き止むという、まさに魔法のアイテムですが、便利だからといって常用していると、習慣化してなかなかやめられなくなります。哺乳が中心の時期は、しゃぶる行為は自然なもので、指しゃぶりもおしゃぶりもなんら問題はありませんが、幼児期になると少し意味合いが変わってきます。
1歳半ごろには、しゃぶる行為は「気分静め」の要素が大きく、指しゃぶりやおしゃぶりで不安な気持ちや不快を静めています。しかし乳歯の奥歯がかみ合ってくる2歳を過ぎても長時間おしゃぶりや指しゃぶりをしていると、噛み合わせへの影響が出やすくなります。3~4歳ごろまでなら、おしゃぶりをやめれば噛み合わせは改善するので、それほど深刻に考える必要はありませんが、そろそろおしゃぶりを卒業させる方向に持っていったほうが良いでしょう。
まだすらすらというわけにはいきませんが、自分の気持ちを表現する力もついてきて、親子のぶつかり合いも少なくなってくるでしょう。
同時に、知りたいことがたくさん出てきて、「なんで?」「どうして?」が多くなります。こんなときは、子どもと一緒に「どうしてなんだろう」と考えたり、近くの図書館などに親子で行くのも楽しいひとときです。
少しずつ分かることやできることが増えていくにしたがって、子どもの世界はどんどん広がっていきます。
弟妹が生まれたときに上の子が赤ちゃん返りをするのはめずらしいことではありません。きょうだいの年齢差が小さい場合によくみられます。赤ちゃん返りは、きょうだいの出現をこころがうまく受け入れられないよという、子どもからの精いっぱいの訴えだと考えられます。
第1に、これまで自分が独占していた親の関心が幼い兄弟に行ってしまっている、もう自分は大切に思われていないのではないかという不安から来ています。「愛情を打ち切られるのではないか」という心配を、子どもはよくもつものです。親の愛情やケアを受けなければ生きていけない子どもからすれば、これは大問題だからです。
第2に、「もうお兄ちゃんだから、赤ちゃんをかわいがってね」「やさしくしなくてはだめよ」などと、親から急に”成長”を強いられることに対して、「そんなにいい子にできないよ」と訴えているのだとも考えられます。赤ちゃん返りをする子どもの気持ちを理解し受け止めつつ、本来の2歳児の成長を大事にし、幼いきょうだいがいる状況に慣れることも考えなくてはなりません。
まず、親は赤ちゃんよりも上の子をかわいがるくらいの気持ちで心理的なバランスがとれるはずです。長子とだけつきあう時間や機会をつくって、「大きくなってすばらしいね」と成長を喜び、ときにはしっかり抱きしめましょう。そしてまた、赤ちゃんのケアの手伝いを頼んでみたりするのもいいでしょう。「目が覚めたら教えてね」「おむつを取ってきて」などと頼むと、喜んでしてくれることでしょう。このような積み重ねが、子どもに成長感を育て、気持ちを安定させ、赤ちゃんはライバルではないや、と思わせるはずです。