妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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少しでもおかしいと感じたら病院へ!
この頃になると、おなかが頻繁に張るようになってきます。張りを感じたら、まずは横になってからだを休めながら様子をみましょう。それでおさまるようなら生理的な張りと考えられます。
しかし、「痛みや張りがどんどん強くなる」、「動けないほどの強い痛み」、「おなかが板のようにかたい」、「出血や発熱をともなう」などのときは、絶対にほうっておいてはいけません。急いで産婦人科を受診しましょう。
おなかが大きくなってからは、横になるときには「シムズの体位」が妊婦さんにとって一番楽な状態と言われています。横向きに寝て、上になるほうのひざを曲げる状態のことです。曲げたひざの下にはクッションをしくとさらに楽になります。形や厚みを自分で調節できるクッションを一つ持っていれば、座るときや授乳時など、これからもいろいろな場面で使えるので便利ですね。
9ヶ月に入ると、ほとんどの赤ちゃんは赤ちゃんは頭を下にし、体を丸めた状態で落ち着きます。成長した赤ちゃんの大きさに対して子宮のスペースは狭くなるので、胎動を感じることが以前に比べ、少なくなります。
胎動が少なくなるとはいえ、「昨日まで動いていた赤ちゃんが今日は1度も動きを感じられない」、「胎動が極端に弱くなった」というときは、すぐに診察を受けましょう。なんらかの原因で赤ちゃんが弱まっていることが考えられます。
里帰り出産を予定している人は、遅くても妊娠34週ころまでには里帰りを済ませましょう。
家を離れている間の家事のことや、お金の管理、出産後の赤ちゃんのための準備など、夫にきちんと伝え、また、メモにまとめておくなど工夫しましょう。
通常、赤ちゃんは頭から出てきますが、そうでない場合もあります。おしりから出てくる「臀位(でんい)」、足から出てくる「足位(そくい)」、立ち膝のような姿勢で膝から出てくる「膝位(しつい)」などがあり、これらをまとめて骨盤位、もしくは逆子とよんでいます。
妊娠28週で骨盤位の胎児は25%ですが、分娩時までに自己回転して3~4%まで減少します。骨盤位の原因は骨盤の形や大きさなどいろいろ指摘されていますが、多くは不明です。通常、30週ころから逆子体操(膝胸位)などで改善を促します。
また、逆子を治すには膝胸位のほか、胎児の背中側(心音が聞こえる側)の反対側を下にして横になることも勧められます。たとえば、腹部の左で心音が聞こえるなら、右を下にします。また、外回転といって、熟練した産婦人科医が妊娠36~37週ころにおなかの上から手で逆子を回して治す方法もあります。
妊婦健診時に助産師や医師から細かく注意される、妊娠中の体重管理。妊娠末期になると、里帰りや産後の準備などで忘れがちです。ここで妊娠末期の体重増加の目安を再確認しておきましょう。
非妊娠時のBMIが「低体重(やせ)」または「ふつう」の人は、妊娠中期から末期にかけて、週に0.3~0.5kgずつ増えるのが理想です。BMIが「肥満」の人はからだの状況を踏まえ、個別に対応する必要があるので、医師の指導にしたがってください。
食事はカロリーの帳尻だけ合わせるのではなく、栄養バランスを考えながら、いろいろな食品、いろいろな料理を食べるように心がけましょう。また、散歩に行ったり、家事をきびきびとこなすことだけでも、適度な運動の効果があります。
最後まで気を抜かず、健康的な妊娠生活を送りましょう。
女性は妊娠期間を通じて、あるいは子育てを通じて、少しずつ親になっていきますが、それは男性も同じです。妊娠中から、親としての自覚を少しずつ育んでいきましょう。赤ちゃんが誕生すると、暮らしは一変します。妻は大部分の時間を母親として使わなければなりません。赤ちゃんの世話も完璧に、同時に夫婦の暮らしまで前と同じにというのは無理な話です。夫は自分のことは自分でしなければなりませんし、赤ちゃんの世話や家事も、必要な分は分担することが大切になります。
むろん、なかには「子育ては母親の役目」あるいは「子育てのメインは母親、父親は支え役」と考える人もいるでしょう。しかし、「父親の育児参加」はもはや時代の要請です。ひとつには、多くの母親が孤独な育児に悲鳴をあげているからです。いちばん身近にいる夫が、第一の子育てサポーターになる必要があるでしょう。また、父親不在によって生じる母子密着、その結果として起こる子どもたちのつまずきの問題も指摘されています。しかし、大切なことは子どもとのかかわりが、父親にとっても人生の宝になるということです。いろいろなことを発見しながら、楽しみながら、子どもとかかわっていきましょう。