妊娠から出産までの過ごし方 | 赤ちゃんの成長と過ごし方 |
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戌の日には安産祈願をしよう
お産が軽い犬にあやかって、妊娠5か月目の最初の「戌の日」に妊婦さんに白布の腹帯を巻き、安産を祈る風習があります。近くの寺や神社にお参りするのもいいでしょう。
地域によっては腹帯を「祝い帯」として実家からおくる風習もあります。
妊娠中は体のサイズが徐々に変化します。特におなかが目立ってくる妊娠5ヶ月目からは、ウェストを締め付けず、脱ぎ着しやすいマタニティウェアを着用しましょう。
妊娠中は、新陳代謝が盛んになり、汗をたくさんかいたり、おりものが多くなったりします。下着は吸湿性がよく、むれない綿を選びましょう。
腹帯、ガードルは必ずしも必要ではありませんが、ガードルでおなかをおさえることは、腰痛を軽減し、おなかに安定感を与える効果があります。ただし、腰部を保護するコルセット・ベルトやきついガードルは、むしろ骨盤底への負担を増やすことがあるので注意が必要です。使用の際は産婦人科などに相談しましょう。
妊娠5ヶ月に入ると、体重が増え、腹部がせり出してくるため、姿勢が悪くなりがちです。バランスの悪い姿勢は腰痛の原因にもなります。意識的に姿勢を正しく保ち、動作も慎重にしましょう。
立っているときはあごを引き、肩の力を抜いて自然に胸を張ります。背筋は伸ばし、おしりを持ち上げ、両足を開くような姿勢にすると楽です。靴は低めで、底にすべり止めのあるものが安全です。
妊娠中、腰部保護コルセットを必要とするような作業(重量物取り扱い、長時間の立位など)には従事しないことが望ましいでしょう。
通勤に電車やバスを使う場合、いつもより早めに出勤する、タクシーを利用するなどして、立ちっぱなしや人混みを避ける工夫をしましょう。たばこの煙による受動喫煙(間接喫煙)も妊娠中は気になるものです。室内は禁煙にしてもらう、喫煙場所を決めてもらうなど、周囲に対策を相談してみましょう。
パソコンの電磁波が心配な人は電磁波防止エプロンなどを利用すると安心です。
職場だからといって決して無理をしてはいけません。少しでも体調が悪いと感じたら、仕事の間にこまめに休んだり、医師に相談したりしましょう。
公共交通機関やオフィスなどの人の多い場所で気になるのが、人のにおいです。特につわりがひどく、においに敏感な妊婦さんにとっては、それが体調不良の原因となることもあります。
また、人と話す際に自分の嘔吐臭が気になるという妊婦さんも多いようです。においが心配なときは、抗菌・防臭性能を備えたマスクの着用がおすすめです。
子宮頚管とは子宮口から膣につながる部分のこと。分娩時には陣痛が起きて子宮口が開き、赤ちゃんが子宮頸管を通って生まれてきます。しかし、体質などが原因で、分娩の準備が整っていないのに突然子宮口が開いてしまうことがあります。これが子宮頸管無力症です。妊娠中期に多いといわれますが、最近では超音波検査などであらかじめ診断できるようになってきました。診断された場合は早めに子宮口を縛る手術(頸管縫縮術)をするなど適切な処置をします。頸管縫縮術をした場合は妊娠37週前後をめどに抜糸して、出産に備えます。
子宮頸管無力症と診断されたときは、仕事を休み、自宅でも食事・入浴など最低限の家事だけをこなし、立ち仕事はできるだけ避けるようにしましょう。また、自覚的に「おなかが張る」ということがわかるよう、意識してみてください。痛みを感じる前にこの「張り」に気づくことが大切です。
妊娠5ヶ月目に入りました。おなかの赤ちゃんの身長は単胎の赤ちゃんと同じくらいの約25cm、体重は少し軽い270gほどです。
多胎妊娠の場合も、基本的には普通に生活していればよいですが、おなかでふたり以上の赤ちゃんが育っているため、母体への負担は大きなものになります。たとえば、つわり(妊娠悪阻)は単胎妊娠より重いと感じる人が多い傾向があります。妊娠20週頃から急におなかが大きくなりはじめ、張りやすくなります。おなかの大きさは約30週で単胎妊娠の39~40週の大きさになります。
よく「妊娠5~7ヶ月(16~27週)は安定期」と言われますが、安定期というのは胎盤が完成し、胎盤を経由して栄養分をもらえるようになる4ヶ月頃には、流産も少なくなりお母さんの体調が落ち着くという意味で言われます。多胎妊娠では流早産も多く、多胎特有の異常も起こりやすいので注意し、体調がおかしいと感じたときは、遠慮せずに病院へ連絡しましょう。